日本製品の品質劣化について考えてみる

二月以降に納品された製品の初期不良率が並じゃない。

くまくまことkumakuma1967の出来損ない日記「日本の家電メーカーはもうダメかもわからんねぇ

(抜粋)しかしどうなんだろ、日本製品がすでにヨーロッパ製に負け始めてるってのは本当なのかな。舶来品(笑)にはあまり興味が無いものでようわからん。

すなふきんの雑感日記「あれ、本当に日本オワタの?

僕には、
為替相場(元・ウォンなどとのクロス)の関係で、低品質の海外品があまりに安い
・デフレが長く続いたため、消費者側の嗜好が変わり、低品質低価格品を好んで買うようになった
この2点から、日本メーカーであっても、低品質低価格品ラインナップを用意せざるを得ず、そういう製品は製造の海外シフト(OEM、海外委託生産、自社海外工場など)をしているのかなと。で、日本製品のイメージであった高品質高価格品は国内製造しているけど、国内市場ではチョボチョボしか売れず、金融危機以前の海外市場では売れていたので、勢い各メーカーの輸出依存度が上がっていたという事なんじゃないかなと思うわけです。つまりは、正常な生産拠点のシフトと、そしてデフレという国内要因。*1

そもそも、低価格低品質品は、量販店での価格競争に曝されていますので、メーカーに大した利益があるとは思えないんですよね。一方、ブランドイメージなどで、市場価格より高めで売れる品は、高付加価値(=粗利益大)なわけで。で、金融危機で輸出の市場が止まると、突然、高付加価値市場の売上が下がって、粗利益が売上減少率以上に減少(=販管費をカバーできなくなる)みたいな*2

あと、付け加えるなら、家電量販店やGMSは基本的に「価格オンリー」のシグナリングでして、街の電気屋さんと違って、店員さんの品質情報の説明は、間違っていても消費者には報復手段が無いわけです*3。そしてデフレの結果、品質情報無視して価格オンリーで買うお客さんも増えちゃってるように見えるわけで。その辺の情報の非対称性でマーケットがレモン化しはじめちゃっているんじゃないかみたいな*4。食品偽装と似たような構図だけど、こちらは違法ではないみたいな。ここまで来ると、ただの妄想。

自分も、数年前に「メーカー品の半値」で売られていた怪しい布団乾燥機を買ったら(幸いにして)3回使用で通電しなくなった事*5がありました。これは中国製でして、ある意味自業自得なわけです。故障リスクもそうですが、布団乾燥機から出火する事態を想定していなかったわけで、今は自分の不明を恥じています*6

それはそれとして、構造改革論者が言うシバキアゲ経済政策が経済成長をもたらす可能性が非常に低いであろうという点については全く同意。

*1:ついでに言うと、欧州の製品でも日本で売られるような奴は、ちゃんとブランドが確立して世界市場で好評を博している高品質高付加価値品じゃないかと想像する次第であります。業務用調理器なんかはそうですね。

*2:だから、製造メーカーさんの本音は派遣切りではなく、正社員切りだったりするわけです。あまり話題にはなっていませんが。

*3:街の電気屋さんだと、町内の評判という形で報復されますので、いい加減なものは薦められません。

*4:これを称して日本の製造業オワタという事なのか

*5:多分、ヒューズが飛んだと思う

*6:中国製については、椅子の空気バネが爆発して、肛門にシャフトが刺さって死亡なんて事故が中国で起きていまして。ありえそうに無い製品でも、本当に人命にかかわる事故が現に起きているのが怖いところ。