定額給付はバラマキである

テレビでアナウンサー*1が定額給付みたいなバラマキは云々と批判しているのを聞いて、「ばら撒くのが目的なのに」と心の中で毒づいてしまった。

今日も行き着けの居酒屋で晩飯を喰っていたら、その店のオバチャンが文句を言っていた。昼間は仕込みや家事をしながらワイドショーを見ているらしく、この辺のネタは比較的正確にマスコミの論調をなぞってくれる。曰く、

1.1万2000円では効果があるとは思えない
2.消費税増税につなげるのはおかしい
3.そんな事より政府の無駄遣いを減らすべき

となります。話を聞いていると、「もっとくれ。でも増税はいやよ」という話にしか聞こえないんだけど、そのまま問い返すと、大抵の人が不機嫌な顔になって、私はそんなズルイ人間じゃないといわんばかりの勢いで否定する。まあ、人間というのはそういうものだと思う。

あと、消費税増税とのバーターの話は完全にミスだよね。税率5%→10%の変更でも、年間支出300万円の家庭で15万円の負担増になる。いちいち割引率を仮定して将来支払い系列の現在割引価値なんてのを計算するまでもなく、明らかに家計には赤字であり、バーターの対象になりえない。悪魔大好きな与謝野大臣がいるので、麻生内閣的には消費税増税の話もどこかで入れなければならないのだろうけど、明らかにミスだと思う。このオバチャンも、その点は正確に理解していた。まあ、いざ選挙という時になったら増税なんて消し飛ぶと思うけどね。

というわけで、相手が居酒屋のオバチャンである事を思い出して話を変えた。

僕「最近お客さんどう?」
オバチャン「不景気だからお客さん減っちゃって・・・」*2
僕「じゃさ、定額給付の領収書の控えみたいなのが出るはずだからさ」
僕「それを持ってきた人は一部商品の5%引きとかのキャンペーンやったら?」
僕「居酒屋さんにはチャンスだと思うよ。」
オバチャン「あ・・・そうね。考えてみる」

という話にて収めてきました。今、こういう話が欠けているんだよね。

余談だけど、「所得制限を設けるか否か」という話は、国会で議論しだすと、与党内も野党も揉めてしまうので、その辺は「各自治体の方は空気を読んで対応してください」という事だと思う。地元のローカルニュースでも、近隣自治体の市長が「年末の繁忙期に、こんな曖昧な指示をされても困る。事実上、全員支給の方向で行くしかない。」なんてインタビューで答えていましたが、これからそういう言い訳合戦が始まって、政府の責任にしつつ全員に支給される方向になるんじゃないかなと。是非そういう「大人の対応」を期待したいものだ。

バラマキは、「額と波及効果」が勝負なので、定額給付を受け取ったら、そんなの貰わなくても平気な人はパーッと夜の街で散財すべきじゃないかと思う。自分のためと思わずに、街の人みんなのためと思って遣って欲しい。今年の年末は特に小売・飲食業が悲惨な状態になる事が予想されているので、年内にパーッと遣ったら助かる人*3がたくさん出ると思う。そして、同時に一時の享楽で日ごろの鬱憤を解消すべきだと思う。鬱憤を解消できない人が、あちこちに火をつけて回るよりはよっぽど健全な世の中になると思う。

いっそ、ベーシックインカムの試行版として毎年実施したら面白いのにと思った。所得再分配が目的なので、その場合の財源は当然の事ながら高額所得者増税となるべきでしょう。

僕も最初は面倒なので貰わないでも構わないかと思っていたけど、せっかくなので河豚でも食ってパーッと散財しようと思う。

*1:バラエティー番組の司会やってる連中はキャスターじゃないよね

*2:見た目にも確かに減ってる

*3:もしかしたら命も