認識の違い

地元で日銀の支店、財務事務所のそれぞれの景況判断が出ていたので比較してみた。

日本銀行○○支店

県内の景気は、緩やかに拡大している。
最終需要の動向を見ると、公共投資は減少テンポが鈍化しつつある。輸出は大幅に増加している。また、企業収益が高水準で推移する中、設備投資は増加している。雇用・所得環境も改善している。その下で個人消費は緩やかに回復している。住宅投資は減少している。以上のような需要動向の下、企業の生産は全体として増加基調にある。

財務省○○財務局○○財務事務所

○○県内の経済は、引き続き回復している。
[今回のポイント]
個人消費、生産は概ね横ばいとなっており、雇用情勢は改善の動きが続いている。
なお、先行きについては、米国経済及び為替の動向、原材料価格上昇などを注視していく必要がある。

自動車工場を含めて、結構生産拠点がある地域なので、輸出動向は海外の需要動向にそれなりに影響を受けていて、輸出の好調から有効求人倍率は全国平均より結構高い。その点は他の地域と違うかも知れない。

両者を比較すると、消費・生産の判断に若干の違いがあるほか、サブプライムなど海外経済起因の先行きの減速リスクに対する記述は財務事務所のみとなっている。詳細の説明部分も含めて比較すると以下のようになる。

項目日銀財務省
全体緩やかに拡大引き続き回復
消費動向回復概ね横ばい
生産動向増加基調概ね横ばい
設備投資伸びが鈍化しつつも増加基調通期は増加見通し
公共事業減少テンポが鈍化前年を下回っている
企業収益高水準で推移通期は減益の見通し
景況感記載無し現状は下降、先行きは上昇
消費者物価▲0.7%マイナス
企業倒産件数増加・負債総額は減少件数・負債総額とも増加
雇用前年と同水準概ね横ばい
賃金前年を上回った概ね横ばい

と、結構な食い違いがある。日銀支店は07年9月の判断、財務事務所は07年7〜9月と対象期間の違いがあるのかも知れない。とはいえ、見ている数字が違うという事は無いと思うので、同じ値を見たときの解釈の違いなのだろうか。企業収益と景況感は、ヒアリングの対象の違いもあるのかな。ただ、「負債総額」の違いは解せないなぁと思った。

というか、そもそも何故同じことを2箇所で別々にやっているのだろうか。