軍隊の交流

僕は朝日新聞も含めて、新聞は人から聞いた話の確認以外では見ないのですが、週刊オブイェクトさんに面白い記事がありましたので。

 とはいえ、軍事に関する両国間の不信は、一度や二度の往来でぬぐえるものではない。日本側は、中国軍の急速な増強や活動の活発化に不安を募らせている。中国側も、ミサイル防衛をめぐる日米協力や台湾への関与の可能性などに神経をとがらせる。
 結局、交流と対話を重ね、相互の信頼を培っていくしか方法はないのだ。艦船の相互訪問はその一歩である。少しずつでも相手側の実情に触れることが、無用な緊張を解くことになる。
 大筋で合意されている当局間のホットラインの設置も早く実現すべきだ。誤解による偶発的な事件を防げるし、日常的に意思疎通ができるようになればさらに相互理解は進むだろう。
朝日新聞社説「中国軍艦寄港―新たな歴史の第一歩に」(2007/11/30)

書いてあることはごもっとも。ゲーム理論ナッシュ均衡に陥るのは、交渉の欠如が原因です。開戦の決断がナッシュ均衡であるならば、国交はとても重要です。またゲームで使用する利得表が間違っているというのも危険なことです。アメリカも中国の軍拡に対して、お互いの正しい情報開示が不用意な緊張を解くとして、情報交流を勧めていたりします。しかし、中国は香港への軍艦の入港を拒否・・・。

その上で、朝日新聞がこういう事を書くと、普段書いている事との不一致、ダブルスタンダードがどうしても気になります。多分、こういう文章は、書き手の普段の論調などから、「行間を読まないと駄目」なんでしょうねw

P.S.
あるところで中国側交渉団が「軍艦を派遣する」と言って日本側に妥協を求めたそうですが、これは「戦争に発展させたいの?」というメッセージですね。戦争はしたくないのは万国共通です。恐らく中国も戦争をしたくありません。よって、通常はこういうメッセージはジャンクとして処理されるはずです。それくらいの懸命さは中国政府にもあると思います。というわけで、変に妥協すべきではないと思います。
多分、日本の外交姿勢の根底には「開戦の理由となる出来事を起こしたと、歴史に刻まれたくない」というのが先にあるのでしょうね。実より名をとる武士の精神です。ただ、武士の精神は、辱めに耐えられなくなり、相手に否があると言える状況になったら、その名を守るために今度は討ち入りする事を美風とするところがあります。よって外交の場では使わない方がよろしいかと思います。討ち入りみたいな解決手段は周りの人にも大迷惑なので、国を預かる組織体として意識しないで欲しいなぁと。あくまで個人の心の中だけにとどめておいて欲しいなぁと思う次第。

中の人がどういう行動原理で働いているのかわからないので、これはつぶやきという事で。