埋蔵金って

政治がらみの論争って、最近は変なタイトルがついているので良くわかりません。正確に言うと、変な名前で論争が始まった時点で、頭が拒絶反応を起こしてしまいます。どこかで何かを騙そうとしてやがるぞみたいな。という訳で、これまで埋蔵金ネタは目糞と耳糞(失礼)が言い争っている印象しかなかったのですが、苺経済板にて埋蔵金スレがたちまして、関連記事をまとめてくれた人がいたので読んでみました。

結論。これは経常的な収支(財政赤字プライマリーバランス)に影響をするネタではなく、どちらかというとBS側で「資金効率を高めましょう」という話ですね。各特別会計には積立金や余剰金があって、これらを集めて使う事ができたら、資金調達(国債発行)が一部不要になりますみたいな。要するにBSの圧縮ネタ。さらっとまとめると

1)資金の効率的活用による資金調達コストの圧縮
国の会計と民間の会計は別の思想で運営されていますので、一概に比較するのは宜しくない面もありますが、あえて民間企業でたとえると、支店が持っていた売上入金用の銀行口座を本社で召し上げて、運転資金の借り入れを圧縮しましょうみたいな話で、経常的な収支には金利負担分のみが効いてくるという話。

2)積立金の管理の徹底による資金調達コストの圧縮
特別会計が不意の支出用に持っている積立金は、まとめる事で圧縮できる可能性があります。積立金は、何かの事件で同時に取り崩しが発生するものもあれば、ヘッジ的に片方が取り崩しが必要な時には一方は余裕が生じる類もあります。これらをシミュレーションして、同時に発生するものは今まで通り、別々に発生するものは少ない金額の方は不要と見做す事で圧縮する事は可能かも知れません。そもそも積立金が不足すると立法時の責任問題ですので、相当に余裕を持っていると予想します*1

3)ガバナンスの観点
資金の集中管理を行うと、現場で悪い事を考える奴がいても、できなくする/被害を最小化する事が可能というガバナンスの観点からも推奨されています。社会保険庁などの私的流用への規律緩さからも納得できる話でしょう。

となるのかな。こんなの、早いところやれって感じ。

元々、日本の公的債務残高は850兆円もあって大変とか言い始めた時期に、資金循環統計を見て、おいおい金融資産が450兆円あるから純負債は400兆円だろ*2と突っ込んでいた方なので、見つかったというより、金融資産を敢えて見ないようにしていた人たちに、しっかりと認識させるために誰かがキャッチーなコピーつけて大げさに取り上げているのかなぁ。なんか、政治的駆け引きは良くわからんです。

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*1:某社団にいた頃、自然災害時に他地域の仲間を通じて相互に地域間援助し合えるように基金を積んでいたけど、結構凄い残高になっていました。僕が関与した年はたまたま地震が頻発したので、前年より減額しましたが通常はどんどん増えていきますね。

*2:当時はそれぞれ800兆:450兆:350兆だったかな