事故米その後

過去ログ見返したら、事故米の話は取り上げてなかったのか。どこかのブログのコメント欄で披露して、書いたつもりになっちゃっていたかも知れない。

知り合いの会社が、農水省発表の事故米取り扱い業者リストに入っていまして、大変な事になっていました。あまり野次馬的な事をしても仕方が無いし、人づてで電話が取れるような状態じゃないとも聞いていまして、僕がわかってあげていればそれで良いという事で、連絡を取らずに見守っていましたが、昨日とある会合で会いましたので、確認してみました。やはり予想通りです。

 Mフーズ→【当該の米問屋】→【食品加工業者】→Jフーズ→流通*1

という取引関係になっておりまして、商品の仕様・価格などは、MフーズとJフーズが決めています。で、Jフーズはファブレスの食品メーカーなので、【食品加工業者】に製造委託します。その業者は地方にありますので、Mフーズが自分でお米を毎日少量づつ運ぶ事ができないため、【米問屋】に対して「商流を通してあげるから*2、日々の米の配送をしてあげて。お米はこっちからまとめてトラックで送るから。」と依頼するわけです。この際、【米問屋】はどんなお米が流通しているのか、基本的には知る立場にありません。でも、帳面上は「事故米を販売した」という事になるわけです。

農水省発表の394社*3の会社のどれくらいが、こういうケースに該当するのかわかりませんが、当初農水省がリストを出し渋ったのは、そういう【米問屋】が相当数含まれているのがわかっていたからだと思います。最終的に、「善悪の判断は国民がすべきである」という理屈で公表されましたが、結果としておきたのはまさに、これら【米問屋】の「風評被害」でありました。

一旦発表されると、通常の販売先のスーパーでも、当該米問屋の商品を扱っていると苦情電話がかかってきたりするわけで、事情を知っていても、販売を自粛せざるを得なくなるわけです。この会社も、一部のお客さんとの取引が終了してしまったようです。

さて、このリストが出てきたお陰で、なんとなく問題が終了してしまったかの感がありますが、個人的には「またJフーズかよ」と思うわけであります。ここはもともと化学メーカーの多角化事業として始まっていまして、今は資本が変わって*4いますが、相変わらず親会社の本業は食品業界ではなく・・・根本的に食に対する信念が欠如しているような気がしてならないのですが、どうなんでしょうね。

余談ですが、国民の知る権利は大事ですが、知る権利を主張しているマスコミは同時に「編集権」を主張していたりします。で、こういう話がすっぽり抜け落ちるわけで*5、それってどうなのかなぁと思ったりします。逆に、大のCMスポンサーがこういう問題を起こしたりすると、報道局と営業で言い合いになっていて、全部とは言いませんが、営業の勝ちになるケースがそれなりにあるんじゃないかと思ったりもするわけで。僕は、そういう現実こそ、皆が知るべきかと思ったりします。あ、Jフーズの事を言っているわけではありませんよ。為念。

*1:MとJがどこの会社かは、当時の報道を見ればわかると思います

*2:粗利率は物流費に相当

*3:たしかそれくらいの数だったよね

*4:社名も変更されています

*5:記者の人と個別に話をすると、ちゃんと知っていたりする。