移転価格?

自動車メーカーの単体赤字*1の話をしたついでなので、もう一点だけ。

かなりあやふやな記憶である事。そして、関係者に迷惑がかかる可能性がある事。この2点のために、かなり伏せた内容となりますが、以前講演会で某製造業の高齢の会長さんの講演を聞いた時の話です。

構造改革がどうした」とかつまらない話をしていたので、僕は半分眠っていました。そのうちに何か面白い話をしている事に気づいて半覚醒から覚醒へ。内容は、「法人税を減税すべきである*2」でありますが、その理由が「海外子会社の工場に輸出する部品の価格なんて、いくらでも自分たちで決められる。つまり利益も海外に移動できる。法人税が高ければ、そうやって課税逃避するだけだから、それが嫌なら法人税は国際水準に合わせて下げるべきだ。」ってなおっかない話をしておりました。いや、夢うつつから覚醒してしまったくらいですので、もうちょっと踏み込んだ*3内容の話をしていたような気がしないでもありませんが、何せ寝ていたので、僕は断言できません。

このケースでは部品の輸出でありましたが、自動車メーカーの場合は現地子会社があり、そこが製造もしている*4けど基本的には販売子会社として機能しているのではないでしょうか。彼らに対して日本から車を輸出しているはずです。つまり、部品のケースと同じ事が言えます。この時の輸出価格*5は、親会社が定めたそこそこ合理的な自主ルールに則っていて、そのルールがコロコロ変えられるものではなく、そして輸出部門が赤字でなければOKだとされています*6。輸出部門が大赤字となった場合は、「この赤字分を自己否認してね」と税務署に言われるのかなぁ*7

というわけで、連結決算がどうなるのかにちょっとだけ興味が出てきました。

とはいえ、僕は特定企業、特定業種を槍玉にあげて悪者に仕立て上げたいと考えているわけではありません。あくまで「やろうと思ったらできる状態にあるよね」という指摘程度にとどめて、この話は追求しないつもりです。

彼らが、年明けどころか年内の生産計画すら立たず、工場の稼動を止めてまで対応しているのは間違いありません。今までは国内の販売縮小を、それよりはるかに高い成長をしていた海外向け販売で補っていたのに、今回はダブルパンチで両者とも縮小しちゃっていますから背に腹は代えられないくらいの悲惨な状態にあるのは間違いないでしょう。小さい会社だったら銀行の態度が豹変しかねない情況です。

胡散臭い話はこの辺にします。早いところ財金一体となった景気対策をして、日本が世界でも指折りの内需型国家である事を思い出させて欲しいと思います。というか、こういう下種の勘ぐりなんかしなくて済む経済状態を早く取り戻して欲しいなぁと言うことで、本稿を閉じたいと思います。

*1:「単体」なんですよね

*2:某団体と同じ主張

*3:税務署の中の人が聞いたら気合が入ってしまいそうな

*4:こともある

*5:ぶっちゃけ経費や製造原価の振替価格

*6:移転価格税制に詳しい方の補足を希望します。僕は単なるプレイヤーで素人ですので。

*7:こちらも税務に詳しい方に聞きたいなぁ。