派遣村について今更

今更ですがあけましておめでとうございます。

何か色々と書きたい事があったのですが、ちょっと義憤めいたものを感じても1時間すると何を書こうと思っていたのか忘れてしまう質で、ブログ向きではありませんが、ある意味幸せな性格をしています。今回はたまたま本日仕入れてきたネタに絡めたトラックバックネタがありましたので、少々(というか、かなり)酔っ払っていますが書いてみます。

よそ行きの妄想さんより「派遣村の話でよくわからないこと」に関して。

新年という事で、ここ数日お客さんのところへ挨拶周りをしているわけですが、本日の挨拶先での話。そのお客さんの近所に炊き出し所があるそうです。社長さんがそこを通りかかった時に、マスコミが失業者にインタビューをしていたらしいのですが・・・

1.昨晩テレビで見た人*1が、その炊き出し所で今日もインタビューを受けていた(ヤラセ?)
2.その会社では契約社員の募集をかけていて、それなりの給与を提示しているのだが応募がない
3.という話を炊き出し所しようと思っていたが、面子を見て思いとどまった

という3点の話が出ました。

1については、さもありなん*2という話ではあります。けど、これを見ちゃった人の信用は思いっきり喪失しますよね。わかってるのかなぁ。

2については・・・。そこのお客さんは親会社は日本中の大半の人が名前を知っている商社でして、その会社は無名ですが、働く先だって日本中の大半の人が名前を知っているコンビニの、本部に近いところに勤務できるわけです。しかも、そういう商社の系列なので残業代は全支給。お嬢様が結婚までの腰掛就職に最適という職場*3なわけです。客観的に見て、「このお客さんのところで働くのはお得だよなぁ」というのが僕の印象です。というわけで、若干とはいえ、雇用のミスマッチはまだまだ存在しています。今、派遣先から解雇された人は、ほとんどが製造業を中心に活動してきて、そして製造業の急減速で就業機会を喪失したわけですから、日本のGDPの75%を占める第三次産業での就業を、もうちょっと考えた方が門戸が広がるんじゃないかなと思ったりします*4

まあ、面子を見て思いとどまったというのは、炊き出し所には活動家な方が多そうだという事らしいですが。

僕は、非自発的失業の問題については、「マクロ経済の問題であって、個々の企業が責任や、失業者個々人が責任を負うべきではない」という立場でありますし、「そもそも派遣業法の規制緩和した事が、現状の遠因となっている」と思い続けている人間ですが、それでも知っていてもらいたい事実があります。それは・・・

1.景気の良い時に、派遣労働者正規雇用の話を持ちかけたら断られたという話は山ほど存在する*5
2.2004年からの景気回復期に中途採用・パート募集で無視されていた企業で、今パート募集を出すと、過去の経験から見て信じられない倍率となり、優秀な人を選択できる*6

という事です。

つまり「自分の価値が高いときに売り惜しみをした事で、自分の価値が下がった時に売れ残ってしまう人が発生している」という事です。それが社会にとって酷く損なことだと僕は思ったりします。炊き出し所にいる方達が、現在とても不幸な身の上にいる事を、僕自身が本当に理解できているとは思いませんが、それでも、もうちょっと自分を売り込むにあたって、賢くなられたほうが良いのかなと思うわけであります*7。過去の行動を批判しても仕方がありません。が、せっかくなので、ここで一つ教訓を得るべきだと僕は思う次第であります。この話を読んだ方が、どう活かすのかという事です。

これは所詮、個々人の競争の話でありまして、誰かが雇用されていたら誰かが失業しちゃうだけの話かも知れません。また、同時に凄くおせっかいな話ですが、どうしても言いたくなりました。

P.S.
本日朝、新宿駅で待ち合わせをしていたら、共産党系の方が路上演説をしていたわけですが、非正規雇用の不幸を訴える人が「私も仲間です」と声を張り上げていたわけですが、その人が自己紹介で「生協の職員です」と言ったのを僕は聞き逃しませんでした。流石にあなたは・・・何重もの意味で仲間ではないでしょう。

P.S.2
この件、小泉改革が大嫌いだった人間的には、経団連な方達が、好き放題に規制緩和を推し進めているのを見聞きしながら、「やべぇぞ、いずれ反動が来るな」と思っていたわけでして、実際に起きてみてその反動の大きさにかなり危機感を感じていたりします*8。なんというかなぁ。主義に浸っている人の主張は極端なんですよ。どっちの主義であっても、理想論は絶対に理想的な現実をもたらさないわけでして。色々な事に妥協している中途半端な状態は最善には感じられないかも知れませんが、その次善な状態こそが実は実現可能な最善な状態だと思うわけです。

なんか、支離滅裂でまとまりませんが、今日はこんなところで。

*1:他所の炊き出し所

*2:あくまで演出の範囲ですというアレ

*3:こう書くと女性一般職の募集みたいですが、男性も募集しています

*4:コンビニ店員が外国人ばかりなのは、彼らが外国人に負けているからなわけではないでしょう。

*5:ルール違反ですが、派遣元から見て顧客がルール違反してもあまり文句が言えない。

*6:これも実話。0.5倍→25倍とかレベル。

*7:炊き出し所にいたら、このブログは読めないわけですが・・・

*8:同時に、マスコミな人の転向の早さにもびっくり仰天ですが・・・

連結赤字っぽいっすね

トヨタ、1500億円の営業赤字に…09年3月期連結決算

トヨタ自動車は22日、2009年3月期連結決算(米国会計基準)の業績予想を下方修正し、本業のもうけを示す営業利益が1500億円の赤字になると発表した。(以下略)

(2008年12月22日16時12分 読売新聞)

いやあ、変な疑いをかけて正直すみませんでした。

というわけで、財金一体となった一層の景気対策と、より一層内需型経済へ移行するための「構造改革」などを目指して欲しいものです。

移転価格?

自動車メーカーの単体赤字*1の話をしたついでなので、もう一点だけ。

かなりあやふやな記憶である事。そして、関係者に迷惑がかかる可能性がある事。この2点のために、かなり伏せた内容となりますが、以前講演会で某製造業の高齢の会長さんの講演を聞いた時の話です。

構造改革がどうした」とかつまらない話をしていたので、僕は半分眠っていました。そのうちに何か面白い話をしている事に気づいて半覚醒から覚醒へ。内容は、「法人税を減税すべきである*2」でありますが、その理由が「海外子会社の工場に輸出する部品の価格なんて、いくらでも自分たちで決められる。つまり利益も海外に移動できる。法人税が高ければ、そうやって課税逃避するだけだから、それが嫌なら法人税は国際水準に合わせて下げるべきだ。」ってなおっかない話をしておりました。いや、夢うつつから覚醒してしまったくらいですので、もうちょっと踏み込んだ*3内容の話をしていたような気がしないでもありませんが、何せ寝ていたので、僕は断言できません。

このケースでは部品の輸出でありましたが、自動車メーカーの場合は現地子会社があり、そこが製造もしている*4けど基本的には販売子会社として機能しているのではないでしょうか。彼らに対して日本から車を輸出しているはずです。つまり、部品のケースと同じ事が言えます。この時の輸出価格*5は、親会社が定めたそこそこ合理的な自主ルールに則っていて、そのルールがコロコロ変えられるものではなく、そして輸出部門が赤字でなければOKだとされています*6。輸出部門が大赤字となった場合は、「この赤字分を自己否認してね」と税務署に言われるのかなぁ*7

というわけで、連結決算がどうなるのかにちょっとだけ興味が出てきました。

とはいえ、僕は特定企業、特定業種を槍玉にあげて悪者に仕立て上げたいと考えているわけではありません。あくまで「やろうと思ったらできる状態にあるよね」という指摘程度にとどめて、この話は追求しないつもりです。

彼らが、年明けどころか年内の生産計画すら立たず、工場の稼動を止めてまで対応しているのは間違いありません。今までは国内の販売縮小を、それよりはるかに高い成長をしていた海外向け販売で補っていたのに、今回はダブルパンチで両者とも縮小しちゃっていますから背に腹は代えられないくらいの悲惨な状態にあるのは間違いないでしょう。小さい会社だったら銀行の態度が豹変しかねない情況です。

胡散臭い話はこの辺にします。早いところ財金一体となった景気対策をして、日本が世界でも指折りの内需型国家である事を思い出させて欲しいと思います。というか、こういう下種の勘ぐりなんかしなくて済む経済状態を早く取り戻して欲しいなぁと言うことで、本稿を閉じたいと思います。

*1:「単体」なんですよね

*2:某団体と同じ主張

*3:税務署の中の人が聞いたら気合が入ってしまいそうな

*4:こともある

*5:ぶっちゃけ経費や製造原価の振替価格

*6:移転価格税制に詳しい方の補足を希望します。僕は単なるプレイヤーで素人ですので。

*7:こちらも税務に詳しい方に聞きたいなぁ。

円高差損?

円高差損で自動車メーカーなど主要輸出製造業が軒並み赤字化するらしいが、一つだけわからない事がある。

この原油高で内需系の企業は、お客さんに相当頭を下げながら結構頑張って値上をした。その結果、値上に成功したところは収益を維持し、できなかったところは収益が悪化した。そして、できなかった*1企業のうちのいくつかの企業は倒産した。彼らは「自己責任である」と言われているし、実際そう思う。

為替差損益には、当然、予約がらみの金融的損失もあるのだろうけど、例えばサイゼリアみたいな失敗話は聞こえてこない。海外子会社への貸付金(売掛金を含む)や子会社株式の評価損はあるのかも知れない。

実際に車の売れ行きは悲惨な状態になっているらしいので、工場の固定費負担がのしかかっているのかも知れない*2。下請け企業の話を聞いていると、相当に深刻な情況だというのは、理解できる*3

が、それでも赤字予想額を聞いていると「輸出品のドル建て価格の値上げは見込んでいるのだろうか?」と思わざるを得ない。

海外での市場価格が上昇したら、売れ行きが悪くなるのは当然だ。しかし、日本車・日本製家電は発展途上国の製品と比較したらずっと高付加価値商品じゃなかったのかな?多少の価格競争には打ち勝てるだけの、品質と機能とランニングコストの低さを持ち合わせいるんじゃなかったのかな?高額所得層ほど台所が悪化しているとはいえ、需要の価格弾力性がそこまで高いとは思えない。

あるいは、製造業は世界中に工場を持って、国際的な調達をし、国際的に製造を分担することで為替変動に強い体質を作っていたのではなかったのかな?たかだか法人税くらいの金額*4で本社を移転してやるぞと脅しをかけるくらい、国際化していたのではないのかな?

いや、これらはきっと、景気情勢の急激な悪化に際しそういった恒久的な対策は間に合わないと判断して、先行してとりあえず出来る対策をやっているとか、あるいはマスコミフィルターで漉しとられてしまって情報がないだけなんだろうけど、なんか報道を聞いていると、外国市場でのシェア維持のために安価な価格を継続しているのが赤字の主因で、その損失をカバーするために日本で経費節減と称して派遣カットとか工場停止とかそういった事が行われているように聞こえてならないのだ。もしかして、生産調整を行って、品薄感を出してから価格上昇というシナリオなのかな。そんな悠長な情況じゃないから派遣カットとか役員報酬返上とか交際接待全面禁止とかになっているんだと思う。

本当のところはどうなんだろう。なんか、断片情報だけしか与えられていないので、考えが右往左往してしまっている。

いや、もちろん過度な円高は歓迎していないし、長期的には国内の製造業は海外にシフトしていくのだろう。また、為替介入経由のリフレーションは断固として必要だと思っている。ただ、だからといって、彼らは彼らなりに筋を通すべきじゃないかと思う次第であります。

p.s.
本日は日銀のゼロ金利に逆戻りネタのエントリーが多そうなので、ちょっと変化球目に。

*1:やろうとしなかった

*2:12月の昨対が50%とからし

*3:特殊な試験の受注なんてやってる会社では12月の売上がゼロになる見込みだそうだ。別の会社では予定されていた設備投資が全部キャンセルになって当分の間白紙状態だとか。期限内でとりあえず継続雇用されている派遣社員も、派遣先で全く仕事が無くてラジオ体操して時間潰しているだけとか。

*4:今回の赤字転落の幅から見たら小さい額です

雀荘「FX」

一昨日の夜の記事を見たら、ちょっと言葉遣いが酷かったですね。すみません。
もともと毒舌な部分がある人間ですので、その辺はご勘弁ください。

本日はネタです。

ここは雀荘「FX」

僕はこの雀荘に通っているフリーの客だ。

この雀荘は一風変わっていて、チップ制だ。フリーの客は先に証拠金をあずけておくと、預け金の100倍程度までチップを貸してくれる。この仕組みのお陰で、その分高額レートの麻雀ができると好評だ。勝てばいつもの100倍儲かる可能性があるって事。

もちろん、損失も大変な事になる。だけど安心して欲しい。損失額が証拠金の金額を超えた瞬間に強制清算されて、それ以上に損失が膨らまないように常時見張っていてくれる。店からたたき出される事になるが、逆に言えば損失額が確定しているから安全だ。とはいえ、残り少ない時に一気にハコテンして、追加でお金が必要になる事もある。だが、そんな事を気にしていては、ギャンブラーの名折れだ。リスクはとって何ぼだ。というか、ロスが増えてきたらレートを下げて損失を少なくしよう。それくらいは頭を使うべきだろう。

その店にはプロの雀士がたくさんいて、物凄い高額レートで麻雀をしている。彼らは信用があるので、証拠金は必要ない。というか、プロの人たちと同じ卓を囲んで一緒にギャンブルができるんだぜ。考えてみたら凄いことじゃないか。

プロ雀士同士が、「通し」をやっているという噂を流すやつがたまにいる。証拠が一切ないため、公式には存在しない事になっているとの言い分だ。もちろん、バレたらそのプロ雀士はたたき出されるから、「通し」なんて絶対にしていないと思う。そのくらい信用できないんだったら、その店には行くなと思う。

店には専門の解説員がいて(どうもプロ雀士が、拙い僕らのために雇ってくれているらしい)、僕たちに麻雀の戦略について指導をしてくれる。時には、僕の後ろにたって、その場で何を捨てるべきかまで指導をしてくれる。

まさに至れり尽くせりだ。

非正規雇用問題も大事だけど・・・

今日はへべれけです。飛車@泥酔状態です(笑)。本日はちょっと飲みに出ていたわけですが、そこの店でNHKをずっと映していまして、NHK特集の「セーフティーネット・クライシスII非正規労働者を守れるか」なんて番組を流していたわけです。飲みながら右斜め後方45度にテレビがあったので、正直いってほとんど見てません。ただ、ところどころ見たものに対して、どうにも一言言いたくなってスレ建てします。

1.既に正規雇用者も問題になってるんじゃないの?
番組が始まった瞬間に*1感じた違和感は、「既に非正規雇用の問題だけじゃなく、正規雇用と言われている人たちも、業種によっては*2、既にとっくに首筋が寒くなっているんじゃないの?という事です。もう、とっくの昔に個別の企業の企業努力なんてレベル超えていますよ。マジで。というか、企業努力と言われている行為がむしろマクロ的には貯蓄のパラドックス的な行動になっているわけで。

NHKに限らず、最近のマスコミは、こうやって階級闘争を煽っているわけですが、階級闘争の問題なんて既に超えていますって。そんな暇があったら、政府というか、政府の景気対策に難癖つけている野党と、日銀を徹底的に批判して欲しいなぁと思った次第です。

なんで、この状態で、ダウンサイドだけじゃなくアップサイドのリスクまで考える必要があるの?フォワードルッキングだから、何を言っても平気だという事なの?なんというか・・・僕は法学部的修辞が大嫌いな人間ではありますが、日銀の表*3の人たちの発言を聞いていると・・・どうにも、許せなくなってくるのです。

2.企業の社会的責任?
途中で、ぱっとテレビみたら、たまたま「企業の社会的責任」ってテロップが出ていたんです。その後の展開については聞いていません。

が、僕が思ったのは、企業の社会的責任なんて最初から存在しないよという事。そして「非正規雇用(=派遣労働)を許容したのは、当時の政府じゃないの?」という事。ある法律を改悪して、事後的に問題が起きた時に、だからといって改悪された法律にあわせて行動した企業の責任にされちゃうのは法治国家とは言えないんじゃないかと。僕は非正規雇用の問題とか良くわかっているつもりなので、敢えて言う。個々の企業を批判する前に、派遣業の規制を緩和したことを反省しろと。そして、それに賛成していた連中を列挙して徹底的に糾弾しろと。非正規雇用という層が存在して階級闘争みたいな議論にされるのは、非常に迷惑だ。

もっと言う。企業経営者が、なぜか「有識者」という理由で、政府の意思決定に非常に強く関与している事が多いが、あれは絶対に許しては駄目だ。だって、普通に考えたら、「特別利害関係者」だよ。不良債権処理に関するプロジェクトチームに、不良債権処理の営業をしているK氏を入れるなんて、常識的には考えられない。日本の労働問題を考える際に、恐らく一社では日本で最大の日本人を雇用している某社出身の経団連元会長が影響力を持つなんて、考えられない。何故、今、このような不可思議な事が行われているのか、それに対して、メディアが何も疑問を呈さない理由が全く理解できない。僕は非常に冷めた目で、これらを見ざるを得ないのでありました。

酔っ払っているので、本日はこの辺で勘弁してください。でも、最近の政府系の人選は(某党の反対の結果、全て日銀系で固められた日銀執行部も含めて)全くもって不可解な事が多すぎです。

*1:僕は民放のオカ板並みな番組から見たらずっとNHKがマシと思っている人間でありますが

*2:むしろ非正規で問題になっている業種ほど

*3:執行部と審議員